仕事をする中で、脳裏に”転職”という文字が浮かんだことがあるという方は少なくないでしょう。
業務に関する悩み、人間関係についての悩み、将来についての悩みなど、現職に対する悩みを抱えている方は多くいるはずです。
「思い切って転職しよう!」と今まさに考えている方もいると思いますが、必ずしも転職=悩みの解決というわけではないことを知っておく必要があります。
一度落ち着いて、本当に転職することが正解かを考えてみることが大切です。
今回は、転職に悩んだときに、本当に転職すべきかどうかを考えるときのポイントをご紹介します。
Contents
転職を考え始めるそもそもの理由って?
転職は自分の人生を大きく変える決断です。
慣れ親しんだ今の仕事環境を変えてでも新たな職場に行きたいと思うきっかけは、一体何にあるのでしょうか?
人間関係への悩み
人間関係への悩みは、転職のきっかけとしてもっとも多い理由といわれます。
上司からのパワハラ、職場でのいじめなどが原因で精神的に追い詰められ、転職することで環境を変えたいと考える方が多いようです。心身ともに体調を崩し、仕事ができなくなってしまっては元も子もありません。
とはいえ、「気が合わない人がいるから」という理由で安易に転職するのは要注意。どの職場にも自分と合わないと感じる人はいるため、これを理由に転職をすると辞め癖がついてしまうことがあります。
給与についての悩み
誰でも働いた分の対価として納得いく給与が欲しいものです。もっと年収を上げたいという理由から転職を考える方も多くいるでしょう。
給与が低すぎて生活に困窮するほどだったり、将来的に昇給が見込めない場合には転職したほうがいいケースもあるといえます。
ただし、給与が高い=仕事面での期待・苦労があるということを知っておかなくてはなりません。
給与が高くてラクな仕事はそうありません。労働時間、スキル、離職率が高いなど、何らかの懸念点がある可能性もあります。年収をあげるにしても、会社の体質をしっかりと見極める必要があるといえるでしょう。
残業・休日出勤についての悩み
残業や休日出勤が多い、勤務時間が不規則などのように、労働条件に悩みを抱えて転職を考えるケースもあるでしょう。
仕事に大きなやりがいを見出しているのであれば、労働条件がどんなに過酷でも受け入れられるという方もいるかもしれません。しかし、確実に過労によって心身ともに疲労が蓄積していきます。また、友人と会う時間もなくなるため友達もどんどん減ってしまいます。
プライベート面と仕事をどの程度の割合で充実させたいかによって、労働条件を考えることが大切でしょう。
会社の将来性についての悩み
毎年たくさんの会社が立ち上げられ、そして潰れていく厳しい社会の中、自分の会社の将来性に不安を抱いて転職を考えるケースもあるといえます。
ベンチャー企業であればとくに会社の将来が不安定であるため、潰れる前に早めに見切りをつけようとする方がいます。AIをはじめとする技術の発達によって、会社のみならず業界全体の将来性に懸念を持つこともあるでしょう。
今後の社会の動向をみながら、取るべき行動を考えることが重要です。
やりたい仕事ができないことへの悩み
仕事をするなかで、もっとやりたいと思える仕事、興味がある仕事がでてくることもありますよね。そうした時に、今の仕事にやりがいを感じられなくなってしまい、転職を考える方がいます。
このケースでは、今の会社でやりたいことが実現できないケースと、できるケースの両方があります。できないケースでは転職するほうがいいですが、実現できるのであれば部署異動を希望することで解決できる場合もあります。
転職しないほうがいい人にみる5つの特徴
転職を考え始めるきっかけは人それぞれですが、中には転職をしないほうが、結果的にいい環境下働くことができているというケースも存在します。
次にあげる方は、一度冷静になって転職について考え直したほうがいいかもしれません。
①安定志向な人
たとえば、公務員的な体質がある会社や伝統を重んじる会社では、業績は悪くないものの、仕事へのやりがいを見出したり給与の大幅アップが難しいという側面もあります。
友人や同級生との集まりなどでは、自分よりも給料をもらって楽しそうに働いている友人たちの姿がうらやましく見えることもあるでしょう。
しかし、何十年とまとまった年数を同じ会社で過ごしてきた人ほど、職場環境が変わることへのストレスは大きいといえます。転職に伴うリスクをよく考える必要があるでしょう。
②現職の愚痴ばかり言っている人
どの仕事をしていても不満や愚痴はでてきます。しかし、えんえんと愚痴をつまみにお酒を飲んでいる人がいます。
現職での問題点を解決するために努力しているのであれば問題ありませんが、ただただ愚痴を言うだけの人はそれが癖になっていることも。
この心境のまま他の会社に転職をしても、結局同じことが起こってしまうでしょう。
③転職の目的が定まっていない人
明確な不安や不満はないものの、友人や同僚が転職をしているからと明確な目的なく転職を始める人は、転職をしないほうがいいでしょう。
漠然と転職をスタートさせる人は意外と多くいますが、企業探しの軸がないために内定をとりにくく、また内定がとれても現職よりも労働条件が悪くなるケースがあります。
「なぜ転職をしたいのか」「転職をして結果何をやりたいのか」を明確にしたうえで転職をすることが大切です。
④現実を理解できていない夢見がちな人
企業が求めていることを理解せず、またやりたい仕事のイメージが漠然としているタイプの人です。
スキルを活かしたいと求人は探しているものの、具体的にスキルを活かして何をしたいのかという部分が明確ではないため、マッチする企業を見つけることができません。
このタイプは未経験の業種&職種での転職を希望する人にも多く、不明瞭なイメージのもと転職活動に挑んでいる傾向があります。
⑤他責感が強い人
このタイプは、自分の希望ではない部署に配属された人、キャリアアップできない理由を会社のせいにしている人に見られます。
仕事がうまくいかないのは人のせい、キャリアアップできないのは会社のせいと、すべての不満を何かのせいにする他責傾向があります。
こうした方は自分に対して甘いため、何かにつけて人のせいにしては転職を繰り返してしまうことも。自分を客観的に評価し、自分の課題としっかりと向き合う姿勢が大切です。
では、転職すべき人ってどんな人?
それでは、今すぐ転職したほうがいいのはどんな人なのでしょうか?
それは、「今の職場にいても自分の人生が豊かにならない」と確信している人です。
具体的には、パワハラやいじめなどで精神的なストレスを感じている人、今の職場では自分の希望を叶えることができない人、また転職理由が明確に決まっている人などです。
今後自分が現職で充実した毎日を送る将来像が見えなくなってしまったら、転職のタイミングと考えましょう。
また、転職活動をうまく進められる人には、次のような特徴が見られます。
●自己分析がしっかりできている
●柔軟性があり、臨機応変に対応できる
●前職で経験やスキルを身につけている
●求人企業のニーズ、特徴を良く理解している
●将来のビジョンがあり、キャリアアップに意欲的である
●書類添削、面接対策の重要性を理解している
これらのポイントを押さえておくことで、自分に合った企業を見つけることができ、かつ内定を取れる可能性が高まります。自分の希望や転職の目的をはっきりさせ、前向きな姿勢で転職に挑むことが転職成功のカギといえるのです。
転職で解決できる問題かどうかをよく考えよう!
どんな仕事をするにあたっても、何かしらの悩みや不満はでてきます。転職はこうした悩みを解決するための手段のひとつといえますが、解決策は転職一択ではありません。
まずは、同僚や友人などの信頼できる人に相談してみましょう。客観的な視点からさまざまなアドバイスを受けることができます。
そのうえで、今の職場で部署異動をしたり転勤をしたりすることで解決できるのであれば、転職をする前の措置として検討してみましょう。
それでも状況が改善されない、または部署異動をしたところで根本的な解決につながらないというケースは、転職を考えるのが有効な手段といえます。転職エージェントに状況を伝え、アドバイスをもらいましょう。
そもそも転職とは、その人の人生において大きなターニングポイントとなる出来事です。そのため、転職の必要性を慎重に検討する必要があります。
「転職する」ということを安易に考えず、しっかりと自分自身と向き合ったうえで、転職をするかどうかを決めましょう。
まとめ
転職をすることに対して、しごく簡単でいいことのように思っている人も中にはいます。しかし、転職をして職場が変わるということは、必ずしも=幸せな人生であるとは限りません。
なぜ現職に対して不満を持っているのか、なぜ転職をしたいと思っているのか、しっかりと自分自身と向き合ったうえで、最良の選択をしてくださいね。